東京トレイル(Mountain & Shop)

ジャングルのようなビル群と無数に張り巡らされた道路、この灰色のトレイルには微塵の魅力も感じられないが、それでも歩かざるを得ない理由がある。何故こんな所を歩くのか?それはそこに山があるからだ。
東京トレイル(Mountain & Shop)
今回は東京の外れではなく都心部をハイク(ランニング)してきた。無機質な景観、人混み、車の排気ガス、目当ての山は全てが人工的だった。

このようなルートを普通のハイキング感覚で歩けば、当然喜びは感じられない。しかし、視点を変えれば多少なりに楽しむことは出来る。
先日歩いた多摩丘陵の記録でも書いたが、街中トレイルの魅力とは地形や歴史を知る事にある。自然を知るのは感性、地形を知るのは理論、歩きながら地形構造の変化や歴史を体感する、ただの坂も地形として見れば違うものに見える。
目に映る平凡な景色を想像力や知識によって改変する、この捻くれた物の見方がオタク要素であり、地形オタクが変わり者と呼ばれる所以ではないだろうか。

私は知識が乏しく地形オタクの自覚はないが、地形に対しては強い興味を持っている。そして私に限らず、山歩きをする人は少なからず地形に興味を持っていると思っている。
地形とは地球表面の凸凹であり、その構造を一番体現しているのが山地である。美しいと感じる景色は地形が作り出した芸術であり、それに惹かれるのは地形に興味を持つ事と同義なのである。また、孫子も「地形を知り己(体力)を知れば遭難危うからず」と名言を残している。ピーク・尾根・稜線・鞍部(峠)・沢(谷)、これらのパーツを理解していれば危険は回避できる。
余談だが、山頂で地図を眺めて位置関係を知ろうとする人は地理オタクの資質がある、私はこの点には興味がなく見える山の山名を知ろうとは思わない(ルートの目的地の場合を除く)。

平地は山地とは異なり起伏が殆ど無く、都心となると自然そのものが存在しない。
なので、歴史・地理・地形の力を借りて演出を加えていく、自然が無ければ自然を作り出す、数百年前の景色を想像し灰色を緑色に置換していく。

こんな面倒くさいエリアなので、あまり乗り気では無かったが、都心に行く機会があったので歩いてみることにした。
コンパスを買いに東京駅に行くことになり、そのついでに愛宕山(虎ノ門)を考えたが、疲れもしないピークハントでは物足りないので、距離を伸ばし範囲を広げてみた。
ルートは、起点を王子の飛鳥山として、早稲田の箱根山 ⇒ 虎ノ門の愛宕山 ⇒ 飯倉の日本経緯度原点 ⇒ 芝公園の芝丸山 ⇒ 浜松町の旧芝離宮恩賜庭園 ⇒ 日比谷公園の三笠山 ⇒ 上野の摺鉢山とし、その間に山ショップを混ぜてみた。23区内の山は飛鳥山と愛宕山のみ、その他の山は全て人工の築山となる。

街中トレイルの感想

実際に歩いてみて一番感じた事は、自然のありがたみであった。

当たり前のように存在するものには何も感じなくても、希少性があるものにはその価値を理解しようとする。
人の生活の基本を『衣食住』と言うが、住は自然の指しているような気がした。他生物の住は自然であり、人も自然の中で暮らしてきた。そういった習性が残っていて本能として自然を求めるのは理にかなっている。
都心の公園は多くの人が利用していた、冷暖房の効いた人工施設の方が快適なのに自然に触れ合おうとするのは、やはり本能や潜在意識が関係しているのかもしれない。

社会がどんなに便利になったとしても、人は自然を求めていく。アウトドアは無くならないし、今後はハイカー人口も増えていく。「我がハイキングは永遠に不滅です!」

街中トレイルの良い点と悪い点

都内観光ができる
絶対に遭難しない
食べ物と飲み物に困らない
飽きたら買い物など転進が楽
アクセス良好

自然が少ない
信号が多いから気持ち良く走れない
99%舗装路
日陰がない(炎天下は注意)
空気がまずい
人酔いする
山が低すぎて、登っているという気がしない
景色がつまらない
立ちション・キジ撃ちができない
路上で喫煙ができない


正直魅力的とは言えないが、真新しい感覚と、人工物を見つめることで改めて自然の良さを感じられるという点から、一度は歩いてみることをお薦めします。

ルート



大きいサイズで見る

距離:35kmくらい
累積標高(登り):不明
累積標高(下り):不明
※ルートはGoogleマップで作成

Google Earthの俯瞰図


ルート全体
ルート全体

飛鳥山
飛鳥山

箱根山
箱根山

愛宕山・日本経緯度原点・芝丸山・旧芝離宮恩賜庭園・三笠山
愛宕山・日本経緯度原点・芝丸山・旧芝離宮恩賜庭園・三笠山

摺鉢山
摺鉢山

山行記録


ルートの99%が舗装路なのでシューズはナイキのベアフットシューズにした、このシューズはアウトソールが2mm程と極薄だが、インソールの踵部分が厚めなので足裏が痛くなりにくい。あとはオサレ、東京はオシャレせんとバカにされっから。
ナイキ

飛鳥山は王子駅の目の前とアクセスが良い、内容は少し高いだけの公園と山っぽさは感じられなかった(整備して平らになっている為)。山頂の位置は不明、石碑のある場所なのか、それとも象さんがいる白いピークなのか?
王子駅飛鳥山公園案内図
飛鳥山公園
飛鳥山公園飛鳥山公園
山頂?
飛鳥山公園飛鳥山公園

飛鳥山公園の次は早稲田の箱根山へ。
江戸川橋に「MT.FABs」というアウトドアガレージブランドのショップがあり、気になっていたので立ち寄ってみた、このショップは平日しか営業していないので場所だけ確認(意味ねー)。
巣鴨小日向神社
MT.FABs水木のみ

馬場下町を左折し戸山公園へ、箱根山は公園内にそびえ立っている(そびえる程高くはない)。箱根山は先の飛鳥山とは異なり起伏がある、あっという間に登れてしまうが山登り感覚は少し味わえた。
この山は登頂証明書がもらえる、「お前なんかにあの箱根山を登れるはずがない!」と何でもケチをつけたがる人が周りにいる場合は発行してもらうのがよい。
馬場下町戸山公園
箱根山通り戸山公園
箱根山の登り箱根山の登り
箱根山
登頂証明書を発行しているピルクル@箱根山

次の目的地は愛宕山。靖国通りに出て市ヶ谷から外堀通りに入る、四谷→赤坂見附→溜池を過ぎれば虎ノ門だ。迎賓館から赤坂見附までは自然が残る静かな道で気持ちが良かった。
市ヶ谷四谷
外堀通り外堀通り
赤坂見附日枝神社
溜池愛宕1丁目

愛宕山は南北に直径約400m位の丘陵が残っている、港区は坂が多いが、江戸より前の武蔵国と呼ばれていた頃はこの一体に緑の丘陵帯が広がっていたのだろう。
鳥居から急な石階段を登ると愛宕神社が建っている、三角点の位置はわからなかった。下りは道を間違えて大回りしてしまったが、愛宕トンネルに下れる道があるようだ(愛宕山エレベーター)。
愛宕神社愛宕神社
愛宕神社
愛宕神社
愛宕神社愛宕トンネル

次は日本経緯度原点、日本橋は道路の基準点、ここは測量の基準点となる。飯倉の交差点を曲がり、ロシア大使館の手前の道を入っていくとポツリと標識が立っている。
ロシア大使館を警備している警官に道を訪ねたらこの場所の事は知らなかった(建物の裏にあるのに)、ここは警官ですら知らないマイナースポットらしい。
飯倉日本経緯度原点
日本経緯度原点

東京タワーに立ち寄って(下から見るだけ)、隣の芝公園へ。南側の小高い丘が芝丸山となる。
東京タワー芝公園
芝丸山の登り芝丸山の登り
芝丸山

ニコチン切れでそろそろ補給をしなければならないが、山頂は喫煙禁止・・・受動喫煙が問題ならば人が居ない場合は吸っても良いと例外を設けてもらいたいものだ。これ以上規制をするなら真面目に販売を禁止にするべき、税収は欲しいでも吸っちゃダメって矛盾している。
芝丸山喫煙禁止

芝公園も人が多かった、そんなに自然が好きならハイキングに行けばいいのに。
芝公園芝公園
芝公園

これ以上は動けそうもないので、ニコチンスタンドを探す。喫煙者のオアシス「ドトール」、もし禁煙することになったらスターファクスコーヒーを利用してみたい。
ドトール至福のひととき

次の旧芝離宮恩賜庭園は浜松町の駅前にあるが、日差しが強く頭がぼーっとしていたのか思いっきりスルーしてしまい、浜離宮恩賜庭園に行ってしまった。。
浜離宮恩賜庭園旧芝離宮恩賜庭園

浜離宮恩賜庭園は海岸に面しているが、旧芝離宮恩賜庭園はビルに囲まれた庭園。入園料は150円、園内には「大山」「根府川山」「唐津山」がある。
旧芝離宮恩賜庭園
旧芝離宮恩賜庭園旧芝離宮恩賜庭園

5秒で登れる大山、山頂からは庭園全体が眺められる。
大山大山からの眺め

池に映る逆さビル、人工と自然のアンバランス感に芸術性を感じる。
旧芝離宮恩賜庭園旧芝離宮恩賜庭園

根府川山は石組の山、小田原の根府川石を使っているから根府川山。
根府川山根府川山

そしてこれが唐津山、この作品は見た瞬間にグッときた。自然は自然体で表現するのが一番美しい、形を作ろうとすればするほど駄作になっていく。
唐津山

日比谷通りに出て日比谷公園へ、三笠山は日比谷公園の北端にある。
日比谷通り日比谷公園
日比谷公園
三笠山三笠山
三笠山
三笠山

有楽町を通って東京駅を横断し、銀座通りの「ぶよお堂」へ。店内は一般書店では扱っていない変わった地図が並んでいた、地理や地形が好きな人にとっては宝の山、あれもこれもと見ていたら数時間はあっという間に過ぎてしまう。
有楽町東京駅
ぶよお堂ぶよお堂
ぶよお堂ぶよお堂

幕末の古地図(東京奠都前?)が緑に溢れていたことには驚いた、開けているのは江戸城周辺だけ目黒から西は農村地帯、これがたった100年で激変してしまうのだから物凄い変化である。
古地図

コンパスだけ購入して(地図はザックに入らないから未購入)、次の目的地へ。
次もショップ、馬喰町にある「Run boys! Run girls!」、ここはランニングやトレランアイテムを扱っているショップだ。店員さんの接客がとても丁寧なのが印象的だった。
日本橋室町3丁目
Run boys! Run girls!Run boys! Run girls!

このデザインTEEが欲しかったが、サイズが無かったので諦めた。。
デザインTEE

お店の人に「MoonlightGear」が近くにあると聞いて、次はそのショップへ。MoonlightGearはUL系のアイテムを扱っているショップ、通販は利用したことはあるが実店舗は初めて。ワンポールテントやビビィテントのメリットや使用法について教えてもらった。
MoonlightGear

秋葉原を抜けて御徒町を越えて、最終目的地の上野公園に到着。
秋葉原御徒町
上野上野公園

公園内にある摺鉢山、最後の山としては微妙な内容だった。。
摺鉢山の登り摺鉢山

摺鉢山の近くには、大佛山がありこちらも登る予定だったが、開門時間が過ぎていて登ることは出来なかった(到着が17時、開門は16時まで)。。
大佛山大佛山

感動的な終わり方では無かったが、色々な場所を回り東京を満喫できたので満足のいく山行となった。
皇居や日比谷辺りはランナーの姿が多かったが、こんな暑い日によくも走れるものと感心した。東京オリンピックのマラソンは高温多湿の気候に慣れているランナーが有利だから、日本のメダルは期待できそうだ。
上野公園上野駅

ルート評価


東京トレイル

景観  :★★☆☆☆
ルート :☆☆☆☆☆
体力  :★★★☆☆(3.5)


1.5点

ハイキングとしては0点ですが、歴史観光としてはアリだと思います。

自然の山は飛鳥山と愛宕山、この山だけ登るなら電車を利用すれば1時間で登ることが可能です(南北線利用)。
但し、自然の山に関しては正直つまらないので(飛鳥山は小高い公園、愛宕山は小高い神社)、少しでも自然を味わえる人工の山をルートに含めることをお薦めします。23区内の人工の山はこのサイト(東京23区の山)に詳しく書かれているので、別のルートを考えるのも良いでしょう。

ショップの部分は個人の興味が関係すると思いますが、ぶよお堂は古地図や変わった山岳地図があるので立ち寄りをお薦めします。古地図を見ながら散策するのは楽しそうです。

個人的に良かった順:旧芝離宮恩賜庭園 > 箱根山(戸山公園) ≧ 三笠山(日比谷公園) ≧ 芝丸山(芝公園) ≧ 摺鉢山(上野公園) > 愛宕山 ≧ 飛鳥山(飛鳥山公園) ≧ 日本経緯度原点

タイム


王子駅(9:36)~飛鳥山(9:40)~MT.FABs(10:30)~箱根山(10:54)~愛宕山(12:08)~日本経緯度原点(12:36)~芝丸山(12:59)~【ドトールでコーヒー&シガレット】~浜離宮恩賜庭園(13:36)~旧芝離宮恩賜庭園(13:43)~三笠山(14:02)~ぶよお堂(14:57)~Run boys! Run girls!(15:35)~MoonlightGear(16:15)~摺鉢山(17:01)~上野駅(17:27)

その他の写真


20180602
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