東信 火打山(長靴を借りた猫) by 車

長靴を借りた猫、吾輩は猫である。そう、私は登頂するために長靴を借りた。そして登頂した。
東信 火打山(長靴を借りた猫) by 車
私のルートミスはお約束だけど、ミスの原因は計画に問題がある。
「ぶっつけ本番、なるようになるさ、だって何も知らないほうが楽しいじゃん」という考えから下調べは殆どしない。
また、自分本位に物事を考えるのも私の特徴である。
一ヶ月間休養し山から離れていたので山の状況は一ヶ月前を想像してしまう、私の中では今は10月なのだ。

「まだ紅葉を見れるかな?晩秋の山を駆け巡りたい」
これが今回の山行の趣旨だった、しかし時は流れていた。真っ白な登山口を見てあんぐり(・o・)
時期や山域を考えれば当たり前の状況だが私は真面目にボケてしまった。しかし、予想外の状況でもチャレンジするのがヤマラ仕様なのです、そして今回も痛い目に遭った。

今後はヤマラ(ひよこ)を改めヤマラ(無計画マン)に名前を変更しよう。

山行計画


今回のエリアは百名山進捗状況を確認した時に思い出した妙高エリア。このエリアは東京からアクセスが悪いので、3日間使って主要の山を登る計画を立てた。
妙高・火打・雨飾の縦走ルートは車の回収が大変(ワンデイだと戻れない)、天狗原山から南側は縦走路がない、堂津岳から高妻山への横断路も繋がっていないとロングルートで繋げるのは難しいようなので、分断して以下のルートを計画した。
 一日目:妙高山と火打山(笹ヶ峰から)
 二日目:高妻山と乙妻山(戸隠から)
 三日目:黒姫山(大橋口から)
※装備の不備で初日で終了した(初日も火打山のみ)

ルート



距離:16.273km
累積標高(+):1295m
累積標高(-):1295m
※GPSデータはカシミールで作成

Googleマップが改悪した、マイプレイス廃止でマイマップを使ってみたが使いにくい・・・埋め込み時の初期縮尺値のパラメーターが解らない(誰か教えて下さい)、マイプレイスを復活させて!

山行記録


車を走らせ妙高へ。妙高高原から笹ヶ峰登山口への道を走っていると雪が・・・この標高で雪があるというのは想定外だった(山頂付近に軽く積もっていると予想)。

今回の装備は秋山装備で、多少の積雪用にスパッツと軽アイゼンを携行した。靴は雪用トレランシューズは処分してしまいまだ新しいシューズは買っていないので、防水性なしのローカットトレランシューズとした。
「そんな装備で大丈夫か?」「大丈夫だ問題ない」
いや、この状態だとルートは雪の深そうだ。いやいや、ここは人気の妙高だ、雪があってもバッチリトレースさえあれば靴なんて何でもいいだろう。

笹ヶ峰登山口に近づくにつれ道路の雪が多くなってきた。車はノーマルタイヤでチェーンは持っていない、山頂どころか登山口すら行けないんじゃないか?
しかし、通行車のお陰で完全に雪が覆われている箇所は無く無事に登山口に到着することができた。
さすが人気コースだ、駐車場も混雑しているのかな?
と思ったら一台も車が駐まっていない、三連休なのに何で誰もいないの?まだ時間が早いのかもしれない、朝になれば登山者が現れるだろう。
仮眠していると車がやってきた、他に車が来る気配はない。この予想外の状況を教えてもらうと声をかける、その人(以下Kさん)は冬季は山スキーをやっていて今回は小屋に荷揚げにきたそうだ。積雪については例年通りで、このコースの冬季の利用者は少ないということだった。

『大人気のコースをバッチリトレースで快適に歩く』というのは妄想ということがわかった。積雪についても隣は北アルプスで標高も2500mもあれば多少の積雪で済むはずがない。
「装備に不備はありそうだが、とりあえず登ってみよう」厳しいと体感した時は敗退すればいい。
準備をして朝6時に登山口を出発した。気温は低くないので化繊シャツとメリノウールに長パンツ(春夏用)のウェアとした、日中は日が出て暑かったので結局ジャケットやダウンは着ることはなかった。

先に出発したKさんを追いかけるが、中々追いつかない。追いつきたいという気持ちはトレースにあやかるのが申し訳ないという事で、人より早く登りたいという事ではない。ラッセルはその場に居る人達がで協力して突破する、非強力な人間は山に登る資格はないと思う(初心者や疲れている人はOKだけどそうでない人であからさまなラッセル泥棒は嫌い)。

十二曲りの途中でようやくKさんに追いついた、トレース感謝です。


その先は先行した。黒沢の渡渉までは平坦でつまらなかったが、十二曲りから登りとなり『楽しいスイッチ』が入って気持よく歩けた。


十二曲りってつづら折りで12回曲がっている区間なんだけど、全ての曲がりに標識が無いんだよね、しかも肝心の『1』が無い!『○/○』と表記するなら全部作ろうよ、予算的に厳しいなら『1・6・12』でもいいよ。

暫く歩くと富士見平に到着した。状態は雪はあるけどそこまで深くない、天気も良く寒さも感じない(暑いくらい)ので、このシューズでも何とか行けそうな気がしてきた。


富士見平で休憩しているとKさんがスノーシューを取り出した。ドラえもんの四次元ポケットの様にニョキッとスノーシュが現れたのでビックリした。
「ドラえも~ん、僕も沈まないシューズが欲しいよ~」

そしてここからはKさんが先行した。「よし、何としてもついていくぞ!ツボ足マスターとしてスノーシューに負ける訳にはいかない」
『ヤマラ vs スノーシュー』ファイト!・・・カンカンカン1RKO、速攻で負けました(´・_・`)

富士見平からは巻き道となるので積雪が深くなる。そしてスノーシュートレースに足を置くと『沈む』、そんな事は重々承知だけど沈む長さが深すぎて悲しくなる。ズボ、ズボボ、ズボボボボボボ・・・何で板一枚でこんなに浮力が違うのか?
膝下程度のラッセルなのでとそこまで深くはないが、休養して体力が低下していたのと、今シーズン初の雪山なので体が雪仕様に慣れてない、バランスを崩してどんどん体力が奪われていく。
ストックも無いので上半身が揺られ、股関節と足の負担を軽減できない。尾根通しならまだ良いが巻き道や平坦の雪溜まりは精神的なダメージも大きい。
そして動きが鈍くなると、雪に埋まっている時間が長くなり足がどんどん冷やされていく。「この調子が続くと足がおかしくなってしまう」

小屋はすぐ先に見えるのに中々着かない、結局富士見平から高谷池ヒュッテまで一時間もかかってしまった。足の状態は酷い・・・団子ができて中はずぶ濡れ。


高谷池ヒュッテは冬季は小屋が開放されていて、一泊千円(集金箱)で泊まることが出来る。営業小屋の一部を開放しているので、中は綺麗で非常に快適だ。大きな屋根に当たる日射で部屋の中は暖かく、布団まであるという超贅沢な冬季小屋なのだ。
冬季は積雪が深く困難なルートになるそうだが、こんな快適な小屋なら苦労してでも登る価値がある(小屋に定点カメラが設置してあり現在の状況を確認することができます)。


それにしても足の状態がよろしくない、少々痛みがあるのでこれ以上のラッセルは凍傷になる恐れがある。のっぺりした緩勾配の稜線、風もなく温かいのでこの先も雪面は締まっていない可能性が高い。ここで敗退せざるを得ないか・・・その時歴史は動いた!

小屋の中に長靴が置いてあった

小屋には移動用に長靴が常備されていたのだ。そう言えば占いで今日のラッキーアイテムは長靴だったな(ウソです)。これで火打山に登ることが出来る。


長靴は快適だった、保温性素材は使われていないが今までが酷かったので暖かく感じた。
でも長靴でも同じように沈む、ペースは上がらず疲労が蓄積し、どんどんペースが落ちていった。高谷池や天狗の庭の広がりのある空間は絶景だが、ラッセルに苦労している私には悪魔にしか見えなかった。
「それもういいから、最後くらいビシッと急登にしてくれよ」





景色は綺麗なんだけどハマりすぎて楽しむ余裕が無い、山頂踏んだらすぐに下山しよう。しかし、山頂の景色を見たらイライラした気分は吹き飛んだ。
それまではこの山が百名山という理由が解らなかった、山容は美しいが百名山と呼ばれるほどの魅力は感じなかった、一体この山の何が優れているのか?




Kさんに山頂から見える山を説明してもらった。Kさんが何度も登り愛する理由がわかる気がした。
一番驚いたのは日本海が見えた事。地理を理解していれば海が見えるのは当然のことだけど、私は妙高が日本海の近くにあるということすら頭に入っていなかった(´・ω・`)
だからこそ感動は大きかった、そしてふと我に返り無知な自分の発言が恥ずかしくなった。

ありがとうKさん、ありがとうお天道様、そしてありがとう長靴くん
君がいなかったらこの素晴らしい景色を見ることは出来なかった。


サクッと下山したいところだが復路も難儀した。緩勾配だと下りでも疲れる、往路のトレースも大して役に立たない。火打山から高谷池ヒュッテまで下りなのに二時間もかかってしまった。
高谷池ヒュッテで長靴を返却しトレランシューズに戻す。多少は濡れたがトレースのお陰で往路よりは楽に通過することが出来た。


十二曲り辺りから体力が回復してきたので、その先はペースを上げた。調子に乗って走ったらコケた(肩を強打する)・・・そして登山口でまたコケた(後頭部をガッツン)。
この登山口に埋め込まれた木の板がよく滑る、これは危ないから撤去した方がいい。打ちどころが悪く脳震盪にならなくて良かった。
「笹ヶ峰登山口から30cmの場所で男性が倒れていました、熊に襲われた外傷はなく死因は未だ不明です」


体力は回復したので翌日の行動は問題ないが、装備に不備がありすぎるので他の山行は諦めることにした。雪山も綺麗だったが次は雪のない時期に登りたい。時期は紅葉時期が良さそうだ、次回こそは妙高エリアを制覇してやる!

東信 火打山(積雪期)

景観  :★★★★★
ルート :★★★☆☆
体力  :★★★★☆
継続性 :★★★☆☆
アクセス:★★★☆☆
総評:very good


景観は富士見平を過ぎてから展望が現れ、高谷池ヒュッテへの巻き道から火打山を望むことが出来ます(※ここからの火打山が一番美しい)。高谷池ヒュッテから稜線に取り付くと後ろに妙高山、右には岩稜帯と妙高市の町並みが見えます。
このルートの最大の景観ポイントは山頂の眺望です。西側は焼山・雨飾山(薬師岳方面の稜線)・北アルプス(栂海新道から白馬)、東側は妙高山と上越の山々、そして北側には日本海と絶景を堪能することが出来ます。

ルートはどちらかと言うと悪いです。序盤の黒沢の渡渉点までは殺風景で退屈な歩きとなります。やっと登りになったかと思うと富士見平から巻き道となりトーンダウンしてしまいます(この巻き道は積雪が増えるとかなり通過が大変そうです)。そして高谷池ヒュッテからも平坦区間が多く、稜線も緩い登りで登り応えがありません。
今回は気温が高く雪面が締まっていなかったので、この平坦区間と緩い斜面に手こずりました。ツボ足だと厳しいのでスノーシュー(ワカン)とストック(ダブル)装備がお勧めです。

継続性は最適装備でペースを上げれば+妙高山が可能です。あとは幕営して焼山方面に縦走は出来そうですが、下山口からの戻りが大変なので焼山が限界かもしれません(焼山のアップダウンは相当きついそうです)。

笹ヶ峰登山口への道は冬季は閉鎖しています(ゲートはないので走破性の高い車なら通行可能)。

※巻き道からの火打山


タイム


笹ヶ峰登山口(6:00)~十二曲り(7:06)~富士見平(8:03)~高谷池ヒュッテ(9:10)~天狗の庭(10:06)~ライチョウ平(11:08)~火打山(12:03)~高谷池ヒュッテ(13:52)~富士見平(15:09)~十二曲り(15:49)~笹ヶ峰登山口(16:38)

今日の補給


本日の食料消費はゼロ、疲労全開で固形物を食べる気にならなかった。飲み物はアセロラドリンク700ml(1L携行)、冬場は500mlで足りるがこの日は気温が高かったのでいつもより多く消費した。

足裏の状態


足裏は完治していなかった・・・いつもの場所が翌日痛み出した(T_T)
雪山は雪というクッションはあるけど足裏の負担は雪無しよりも大きい、ラッセル時の踏抜きや踏み固めは足裏を圧迫する。
一ヶ月の安静期間は何だったのか(体力が落ちただけ)、こうなったら足裏痛を慢性化させ麻痺させるしか無い、とりあえずベアフットランニングを導入して足裏を酷使してやろう(^o^)

焼山の名前を変えよう


火打山の山頂からの景色で一番印象に残っているのは焼山の姿だった。一般的に美しいとは言えない山容だがそのユニークな姿に私は魅せられた。


それにしてもこの名前は感心しない、焼山的には今の名前に不満があると思う。
 人間「今日からお前の名前は焼山だ」
 焼山「ちょっ、それ今考えたでしょ!皆と同じようにしてよ(泣)」
 妙高・火打・雨飾「やけやまwwwwwww」

 登山者「希星ちゃん(子連れ)、この山が焼山よ」
 焼山「キラキラネーム超羨ましい!やっぱ名前は個性だよ」

この魅力的な山をもっとPRしたい、そうだ名前を変えよう。
焼山のゴツゴツとした山容は何かを想像させる、この山はゴジラに似ているのだ。山頂が頭で山頂から吹き出る煙はゴジラの放射熱線なのだ。


ゴジラ岳」というのはどうだろう(結構真面目)、認知度は上がり子供にも大人気の山、そして海外からの観光者も激増すること間違いなしです。


その他の写真


20141122

雪山でのトレランシューズの使用について

回避不能の危険な目に遭う可能性が高いので、基本的に雪山ではトレランシューズを履かない方がいいです。防水性のあるシューズでも低山限定として、ラッセルがある場合は状態(積雪)に注意してください。
私のやっていることは「アホな事」です。山は安全第一です!
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コメント

その時歴史は動いた!ってw大変なめにあってるのに深刻さが足りない。。。
足裏はともかく良い出会いがあって良かったですね。
予期しない日本海、無計画だからこそ。いいなー!
あ、真似しないっすよ、できんわ。。。
でも山から海が見えると毎回感激します。
深刻に考えると不安になって楽しめないので
どんな時もテキトーです(^_^;)

今回の場合は長靴がなかったら引き返していました
長靴(小屋の人の心遣い)に感謝しています。

山から海って何で感激するんですかね?
あの平坦具合がいいのかな?雲海の景色に近い感覚がありますね
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