鹿沼・宇都宮の山巡り(篠井富屋連峰)

最近は日が沈むと肌寒さを感じ、すっかり秋の様相となった。「そろそろ木枯らし1号が吹く頃だから、古賀志山でも行ってみるか」
鹿沼・宇都宮の山巡り(篠井富屋連峰)
※木枯らし(こが)と古賀志山(こがし

古賀志山はクライミングで何度が訪れたことがあったが山頂に登ったことは無かった。
以前日光の山に行く時に車窓から美しい山容が見え、今年の初夏に歩こうとしたがその時は天候が悪く中止。夏場は暑く、少し紅葉している快適な気候のこの時期に歩くことにした。

古賀志山は関東平野にそびえ立つ特殊な独立峰、西は足尾山地、北西は日光連山、北は那須連山があるが、どの山地にも繋がっていない。「ポツンと一軒家」の様な集団に属さない地形は謎めいていて魅力を感じる。
平野にボコンと飛び出した隆起帯、標高は600m未満と低いが岩肌が露出した険しい岩峰帯、この様な変わった地形は関東平野周辺では見られない。
古賀志山

山行計画


古賀志山だけなら日帰りで歩けるが、どうせなら広い範囲を歩きこの不思議な地形を理解したい。ルートは古賀志山一帯(582m)と篠井富屋連峰(561m)、それに加え二股山(569m)、岩山(328m)、糠塚山(186m)・戸室山(228m)・多気山(376m)を繋げるルートとした。
多気山の北の雲雀鳥屋(362m)と篠井富屋連峰の西の浅間山・寅巳山・雷電山(386m-445m)は人の記録を見て魅力が薄いと判断、鹿沼駅の南の茂呂山(192m)と鬼怒川沿いの羽黒山(458m)は興味はあったが移動距離が長くなってしまうのでルートから除いた。

余談だが、今回もエリア間の移動は歩き(走り)だったが、もしバスやタクシーを利用していればもっとルートの範囲を広げることが可能となり、今回のケースなら気になる山を全て歩けたかもしれない。
これまでは完全自力に拘ってきたが、最近は小径チャリに興味がある。自転車は景色をゆっくり眺められ、且つ機動力と収納性(輪行)も兼ね備えていて、今回のルートの様な点在している場合だと有効活用出来る。

但し、『絶対に戻らなければならない』という制約は気になる点だ(その意識が嫌で車を止めた)。自由にポイントを繋ぎ合わせるルート作成の楽しみは無くなり、気分が変わった時、または道に迷ってそのまま帰宅したい時も戻らなければならない。バスの時刻とか時間を意識するのも嫌いだが、出来るだけ制約の無い状態で山を歩きたいものだ。

結果と課題

計画ルートは踏破出来たが、行程が遅れ予備日を使うことになった。
最近の山行では『道迷い』は殆ど無かったが、溜め込んでいたかの如く今回は多発した・・・初日は3回、2日目は2回だったが、特大の道迷いをしてしまい2日の日程が3日になってしまった。。
結果的にはいい状態(天気)で終盤ルートを満喫出来たのは良かったが、不必要な道迷いは出来るだけ軽減したいところだ。

私は道迷い経験が豊富だが、一向に改善されず過ちを繰り返す度に自分の学習能力の低さ(アホ)を痛感している。今回も痛い目に合い原因究明までしているが、必ず同じ過ちを繰り返すだろう・・・長く山をやっている私が「山歩きのプロ」になれないのはこの悪癖が原因だ。

今回の(も)道迷いの原因は私の勘違いだが、補助するコンパスが誤作動を起こし混乱を招いたのも問題だった。現在地をロストしても方位がわかれば修正出来るが、壊れたコンパスは使えないし、使う気にもならない。
その無能なコンパスは古賀志山の崖から転落してしまったが(私の手によって)、後任はしっかりサポートしてくれる信頼できるコンパスにお願いしたい。
精度の高そうなコンパスを既に手配したから、今後はコンパスの使用技術を学び道迷いを回避出来るスキルを会得していきたい(これで山歩きのプロになれる)。

因みにGPSを携帯すればこの課題は容易に解決出来るが、今後もGPSを所有する気は全く無い。「貫けアンチデジタル!」
古賀志山

もくじ


  1. ルート
  2. 1日目記録
  3. 2日目記録
  4. ルート評価
  5. タイム


ルート(全日程)



大きいサイズで見る

【全体】
 距離:89.077km
 累積標高(登り):4820m
 累積標高(下り):4820m

【Day1】
 距離:44.915km(車道区間 36km)
 累積標高(登り):1544m
 累積標高(下り):1499m

【Day2】
 距離:31.691km(車道・林道区間 9km)
 累積標高(登り):2591m
 累積標高(下り):2572m
 ※GPSデータはカシミールで作成

山行記録


DAY1(曇時々晴)「宇都宮の餃子」

スタート地点は東武線の北鹿沼駅。
東武線は三連休というのにハイカーの姿はあまり見られなかった。ハイカーが少ない電車だとテンションがイマイチ上がらない、人が多いとワクワクし、人が少ないと寂しい気分になってしまう。
北鹿沼駅北鹿沼駅

最初のエリアは二股山。二股山は足尾山地の末端部(たぶん)となり、地形の移り変わりを知る上で重要なポイントだ。
駅から登山口までは直線距離で4km弱だが、ゴルフ場がある為に大きく迂回しなければならない。進路を妨げる広大な土地、こういった嫌がらせを受ける度にゴルフが嫌いになっていく。

初っ端から道間違いが発生、直進すべき箇所を左折してしまった・・・私は登山道以前に車道ですらまともに進むことが出来ないのだ。。
住民に道を訪ねながらルートを修正したが、地元の人と世間話が出来たのは良かった。里山歩きの良さは人家がある事、その人達の生活風景を見るだけでなく、実際に話しをすることで『山と街』の関係を知る事ができる。話す内容は正直あまり関心はないが、表情を見ていと生活感が伝わり、その雰囲気が山歩きの中でも影響を与える。
北鹿沼駅~二股山登山口岩山の山容
北鹿沼駅~二股山登山口北鹿沼駅~二股山登山口
北鹿沼駅~二股山登山口二股山の山容

住宅脇の登山口から少し進むと笑える注意書き看板が立っていた。「悪質者にロープが切られています」「山名板の盗難が頻発しています」、どんだけ恨まれてるんだこの山は。
まぁ、これは山というよりも人間性の問題だが、山頂標識を盗んで家に飾るのはまだ許せるが、ロープはかなり悪質、というか犯罪行為に等しい。

後日歩いた古賀志山でもその様な箇所があり、地元の古賀志山愛好家と話をした時に、自分勝手な振る舞いをする輩がいると嘆いていた。
「自分はスキルがあるからロープは必要ない、だから外してしまえ」
そんなにスリリングな事がしたければクライミングルートをフリーソロすればいいのに、そんな技術も精神力も無く、自分のスキルを誇示しようと、人に迷惑を掛けそれが危険に晒している事に気が付かない思考力がない人は稀にいる。

山歩き(山登り)は他人と競い合ったり、技術を比較する事ではない

※ロープの切断に関しては、墜落や経年劣化による消耗がある場合は寧ろ除去した方が安全な場合もある
二股山登山口
注意書き看板注意書き看板

看板を過ぎると尾根と谷筋の分岐となり、往路は谷筋となっていたが復路の尾根から登った。
なるべくルールは守るべきだが、谷筋は景観が悪いケースが大半だし、登りは尾根の方が気持ちが良い。また、駐車場には2台しか車が駐まっていなかったので、逆走によるトラブルは無いと判断した。
分岐

コースはどんより曇り空という事もあって暗い景色だったが、程よい勾配の登りが心地良く悪さは感じなかった。
尾根コース尾根コース
背戸山


二股山は北峰と南峰があり、尾根コース側の北峰の方からの展望が良かった。北峰から南峰のキレットは急なので(少し危険)、不安な人は巻道を利用するのが良さそうだ。
二股山(北峰)北峰からの眺め
二股山(南峰)南峰からの眺め

山頂から少し下っていくと麓から和太鼓の音が聞こえてきた。そのリズミカルな音はまるでダブテクノ、デジタルサウンドよりも心地良い、余韻のある深い音色はいつまで聴いていたい音だった。
「Dub」の部分的要素と山の親和性は高い、中米のラテン系音楽と日本の山景色の関係性は低いが、ダブのトライバル感(民族感)は山の深い広がりや里山の雰囲気が感じられる(Deep Dub Mix)。


下りの谷筋のコースは踏み跡が薄く、予想通り景色は悪かった。谷から沢筋に入ると倒木など荒れていて部分的に不明瞭な箇所があった。
谷・沢コース谷・沢コース
谷・沢コース
谷・沢コース谷・沢コース
谷・沢コース分岐

お次は岩山へ、岩山も足尾山地の末端部だと思われる。
移動は先程道を間違えた際に位置を把握していたから間違えること無くスムーズに進めた。
移動移動

岩山の北端には登山口が見当たらず、適当に登っていくと登山道に合流した。
岩山取付点取付点~登山道
取付点~登山道

岩山の標高は328mと低く、麓からの山容は起伏の少ない丘陵の様に見えたが、実際は険しく危険な地形だった。目の前に現れた垂直の岩壁と上部から垂れ下がる鎖を見て唖然・・・足場は悪く10m近い長い距離の鎖場、腕力だけで攀じ登るのは危険過ぎる。。
岩山コース
岩山コース岩山コース

一度途中まで登ってみたが手汗が気になって引き返し、他の場所から登れないか探してみるとブッシュ帯から登れそうだった。灌木の根っ子や幹を掴みながら鎖場の脇を通過し、最後の傾斜の緩い箇所だけは鎖を使って岩場を登った。

岩山のコースは私の順路とは逆の南側が起点になっていて、この岩場は下りとなる為にこの様な整備不足になっているようだ。
但し下りでも危険な事には変わらず、グリップの低いシューズ、雨による濡れ、暑い時期や緊張による手汗から滑らせて滑落する可能性は十分ありうる。
不可解なのはこの鎖場以外の急傾斜では岩を削って足場が作ってあった事。なぜここだけ整備をしていないのか?『利用者をドキドキさせたい』そんな意図が怪我人や死人等事故の発生よりも優先されているとしたら、その考えは間違っていると思う。

危険箇所の整備の在り方については協議する必要がある。特に里山低山コースは安全第一の整備にして事故に対処するべきだと私は思う。
『危険だから達成感がある』そういった意識は前述した身勝手なロープ切断を生み出す原因にもなり、ハイキング精神の『楽しく安全に歩く事』を蔑ろにしてはならない。高山の危険箇所での事故なら兎も角、里山低山での重症や死亡なんて誰も望んでいないのだ。
岩山コース岩山コース

鎖場の難所を通過すると眺めの良い展望台、そこから少し先が岩山の山頂となっていた。
展望はコースが険しく体力を消耗したから標高の以上の良さが感じられた、苦労した分景色が良くなったり、鎖場や梯子など岩山は低いながらも登山的なコースだった。
展望台
岩山コース岩山
岩山岩山からの眺め

山頂からは本日2回目の道間違い・・・先の鎖場の険しさからバリエーションと一般登山道の区別が判らなくなり道なき道を進んでしまった。。登り返しの無駄な体力、それと藪歩きでのお土産のひっつき虫を外すのに20分近く時間を使ってしまった(別に取らなくても困らないが気なってしまう性格)。
間違いお土産

山頂から南のコースは危険箇所はなかったが、やたらと岩場が多く快適に進めない事からあまり楽しさを感じられなかった(休憩している時の蟻さん鑑賞は楽しかった)。
岩山コース岩山コース
岩山コース岩山コース
二番岩
岩山コース岩山コース
岩山の蟻さん
展望台岩山登山口

第二エリアの岩山を終了し、ここから国道293号を移動し大谷方面へ向かった。
途中、JR鹿沼駅の南に在る糠塚山に立ち寄った。糠塚山(ぬかづか)は登山口から3分で登れてしまう超低山(186m)、山容・登山道・山頂の景色と特徴のない山だが、大昔の田園風景を想像するとそれなりの美しさが感じられた。
糠塚山の山容
糠塚山登山口登山道
山頂

国道に戻り大谷町へ、古賀志山や後のポイントの多気山の山容を眺めながらジョギングペースで移動した。
多気山の山容

大谷奇岩群の観光の前に戸室山へ。しかし、ここで本日3回目の道間違いをしてしまう・・・一つ前の交差点を曲がってしまい、間違った目標物を認識しそこに進んでしまった。。
山に向かう坂道を登っていくと行き止まり・・・「えっ、戸室山って個人の家なの?」
勘違い対象物行き止まり。。

地図を確認しルートを修正、先の貧弱な山容とは異なりそれなりのオーラを放っているからこの山で間違いないだろう。
戸室山の山容

道を進んでいくと民家が無くなり景色が深くなっていった。時刻は15時半、曇りの暗い空間に現れたのは優雅で神秘的な光景だった(写真は加工しているがこのような色合いに感じた)。
鳥居と樹木のデザインバランス、それと色合いが素晴らしく暫くその景色に酔いしれた。
戸室山登山口
戸室山登山口

山頂までのコースは特に良さは無く、山頂も展望は無かった。しかし、美しい登山口の余韻が残っていて、全てに良さを感じた。
戸室山コース
戸室山コース戸室山コース
戸室山コース戸室山

山頂から北の尾根道は踏み跡が薄く、途中から藪を適当に下っていくとお墓に出た。
戸室山バリエーション戸室山バリエーション
戸室山バリエーション

お次は観光、大谷奇岩群の平和観音のデカさに驚いた。
大谷奇岩群平和観音
平和観音

大谷寺の施設内にある御止山に登る予定だったが、時間外だったので登ることが出来なかった(15時に登山コースは終了)。
大谷寺

第五エリアまで終了し次は多気山。多気山は多気山不動尊の道が通行止めになっていたので、茶屋の登山口に荷物を置いてピストンした。退屈な登山道と暗がりからテンションが下がっていたが、山頂の素晴らしい展望を見て気持ちが一変した。
時間は日暮れ時、ヘッデンを忘れ無事戻れるか心配だったが、暗くなる前に戻ることが出来た。
多気山コース多気山コース
多気山コース多気山
多気山
多気山からの眺め

本日の山は終了、ここからは第二部。
今回の山行のテーマとして「里山と食」を掲げていた。食とは『宇都宮の餃子』。以前観光で来た時の餃子は特に美味しさを感じなかったが、今回は登山口から約40kmの距離を歩いている、人気ラーメン店の長時間並ぶ事で美味しさの実感が増す効果を使えば、極上の一品として味わえるはずだ。
店舗は宇都宮市徳次郎町の「宇都宮餃子さつき徳次郎本店」、事前にメニューまで確認し注文する品まで決めていた。

多気山から店までの距離は約8km、時刻は17時。営業時間は19時までなので18時半には到着したいところだ。
疲労は序盤の二股山と岩山で既に疲れを感じ、そこから長距離移動をしているからまともに走れる状態ではなかったが、美味しい餃子を食べるために力を振り絞った。

途中疲労から食欲が衰え走るのを止め歩き始めたが、煌々と灯るステーキ屋を見て食欲が湧いてきた。地図を確認するとステーキ屋から餃子屋までは少しの距離、ここまで頑張って走ってきたのだから何としても餃子を食べたい。
移動移動
移動

18時半にさつき餃子に到着。店に入り靴を脱ぎ、「まだ注文できますか?」と尋ねると店員は、

ウルトラマン光線を放ってきた

30分前のラストオーダーは早い気もするが、お客さんは家族連れが多く、ゆっくり酒でも飲みながらだと1時間くらいは滞在してしまうのかね?
ここまでの苦労話と次の機会がない事情を説明することも考えたが、個人の事情で店に迷惑を掛けるのも悪いので、すんなり諦めて退店することにした。
さつき徳次郎本店

夕飯は携帯していないからどこかで摂らなければならない。店を出て国道の交差点にはバーミヤンが・・・まぁ同じ中華だからここでいっか。
バーミヤンは休日という事もあって大混雑、さつき餃子よりもバーミヤンが人気なのは不思議に感じたが、宇都宮の人が毎食餃子を食べるわけもなく、レストランが人気なのは当然といえば当然か。
注文はカロリーが高そうなチキン南蛮と餃子、サブメニューはあっさりした物が良かったが、さつき餃子を食べられなかった腹いせに無理に餃子を注文した。
バーミヤン
バーミヤン

食事を終えて後は幕営地に向かうだけ。
幕営地は2日目の篠井富屋連峰の起点となる「子どものもり公園」のキャンプ場を利用する予定だったが、行程が遅れ到着は20時くらいになってしまう(15時か16時には到着する予定だった)。
この時間だと他の利用者の迷惑になるし、疲労も溜まり無理して今日中に到着する必要もないので、途中の通行止めの車道に幕営する事にした。

アスファルトでの幕営の利点は床面が濡れない事、撤収が楽な事、それと凸凹のないフラットな地面だから意外と寝心地が良い。
道路に幕営

一歩も歩けない程の疲労状態、昨日は寝不足、お腹は満腹、快適なテン場、テントを設営しすぐに熟睡したzzzZZZZZZ


DAY2(晴)「道迷いと暗闇の稜線」

幕営地を5時前に出発。朝方は冷え込み暖かい物を飲みたかったが、沸かず水が無く自販機まで我慢した。
移動移動

5時半に子どものもり公園の駐車場に到着、キャンプ場は離れていたので道路に幕営して正解だった。
子どものもり公園駐車場子どものもり公園

ここからは篠井富屋連峰、別称「宇都宮アルプス」という名前が私の興味を掻き立てた。
施設の左(西)には旧道があったが虎ロープが張ってあり現在は通行止めとなっていた。東屋への道を進んでいくと登山口に到着した。
旧道登山口

宇都宮アルプスは低山アルプスの中でも上位に入る良コースだった。
あっという間に山頂に辿り着いてしまうお手軽感、各山頂の区間は短く山頂からは美しい展望が望める。照らされる朝日の樹林帯が美しく、このコースを歩くなら早い時間帯がオススメだ。
篠井富屋連峰篠井富屋連峰
篠井富屋連峰
篠井富屋連峰榛名山
篠井富屋連峰篠井富屋連峰
篠井富屋連峰篠井富屋連峰
篠井富屋連峰
男山男山からの眺め
篠井富屋連峰
篠井富屋連峰
篠井富屋連峰本山
本山からの眺め
本山からの眺め

榛名山・男山・本山までは非常に良かったが、後半の飯盛山・高舘山・黒戸山の区間は景色や景観が前半に比べて見劣りしたのが残念だった(でも全体的には良コース)。
篠井富屋連峰篠井富屋連峰
飯盛山篠井富屋連峰
篠井富屋連峰篠井富屋連峰
高舘山高舘山
黒戸山中徳次郎登山口

中徳次郎登山口から林道のT字交差点を少し登っていくと鬼山の登山口がある。鬼山はこの林道を堺に北と南に2峰存在するが、南峰は道標が無かったので北峰だけ登った。
T字交差点鬼山登山口
鬼山鬼山

下からの鬼山の山容、真ん中が北峰、右が南峰。北峰は展望が無かったが、南峰は展望があるのだろうか?
鬼山の山容

下山した麓からは次のエリアの男抱山と半蔵山の稜線が望めた。美しそうな景色にテンションが上ってきた。
男抱山から半蔵山の稜線
男抱山から半蔵山の稜線

昨日通った国道を引き返して男抱山の登山口へ。普段は行動食を食べないが、胃の調子が良かったので途中のセブンイレブンで昼食を摂った。
メニューは「そば」、なぜそばかと言うと昨日さつき餃子で餃子を茶そばを注文する予定だったから、結果的にはバーミヤン餃子とセブンそばとグレードが下がってしまったが、一応目的は果たせ気分がスッキリした。
そば

男抱山からは古賀志山までは稜線が繋がっていて、ここが今回のルートの最終エリアとなる。
登山口の到着時刻は10時、古賀志山からの下山口までの距離は約15km、低山の15kmなら夕方には下山出来ると考えていたが、その後メガトン級のトラブルに見舞われる事となってしまった(恐ろしく悲しい顛末は後ほど)。

男抱山と富士山は名前は違うが、二股山や鬼山の様な2つの山が並ぶ双耳峰となる。富士山は女抱富士という標識もあり、総称としては「抱山」が適切なのかもしれない。
このコースは非常に良かった。二股山の様な深さは無いが、短い時間で歩けるお手軽感が人気のようで当日も多くの人が歩いていた。特に良かったのは個人で整備したような優しさが感じられる整備、これだけでも歩く価値がある。
登山口男抱山・富士山分岐
素敵な整備
男抱山・富士山コース男抱山・富士山コース
男抱山
男抱山からの眺め
富士山富士山

男抱山と富士山の間の道標は向きが間違っていたが、それが修正されていない理由はすぐにわかった。踏み跡は薄く登山道は連休というのに蜘蛛の巣がかかっていた。男抱山と富士山は大人気だが、その先を歩く人は殆ど居ないようだ。
男抱山・富士山~林道合流点
男抱山・富士山~林道合流点男抱山・富士山~林道合流点
男抱山・富士山~林道合流点男抱山・富士山~林道合流点
男抱山・富士山~林道合流点

林道に合流しその先を登って行くと半蔵山に到着したが、ここで特大の失態を犯してしまった。まさかこの林道のポイントを4回も通過する事になるとは・・・
林道合流点

林道からは林業用のキャタピラ道しかなく、登山道は草に覆われ歩き難そうだったので、作業道で登ることにした。問題はその後、作業道から山頂に登り次のポイントへ行くところで、進路を勘違いしてしまい登ってきた方角に戻ってしまったのだ。。
林道合流点~半蔵山半蔵山
半蔵山半蔵山~林道合流点

なぜこの様な行動を取ってしまったのか?
『山頂からは鋭角に曲がるイメージ』
これが今回の道間違いを引き起こした原因だ。登山道と林業作業道では進入角度が異なり、作業道から登ってしまった為に山頂からの進路(方角)を誤ってしまったのだ。

【正しい進路】
半蔵山のルート

【勘違い進路】
半蔵山のルート

一度通った場所なら直ぐに間違いに気が付く。しかし、一度通った場所でも林業が開拓した状態はどれも同じに見えてしまい、通過した林道でも間違いに気が付かなかった。林道は進路の地図には記されていなかったが、地理院地図に記されていない林道は稀にありそれに該当すると考えてしまった。

縦横無尽に広がる林道作業道を適当に進んでいくと登山道に合流した、その道を進んでいくと下り調子となり別の林道に出た。
ここでルートから外れたことを認識したが、この時まだ半蔵山の進路は正しいと思っていたので、予想現在地は異なる場所を想定していた。

登山道を引き返すのは時間のロスになるから、ショートカット出来そうな林道を歩くことにした。長い距離林道を上り稜線らしき場所に到着、この林道は先程通った(2回も)場所だがそれも理解出来ず、進路らしきピークへ登って行った。
彷徨う彷徨う
彷徨う彷徨う

遠目からピークの山頂標識が見え、運良くルートが修正出来たと安堵した、しかし・・・

その標識には「半蔵山」の文字が・・・

状況が理解できず頭は混乱、いったいどこにワープゾーンがあったというのか?
半蔵山(2回目)

山頂でコンパスを取り出し方角を確認し、ぶっ壊れたコンパスに騙され再び林道へ(4回目)。そこでようやく山頂の方角が怪しいことに気が付き、再び山頂に登り返し別の方角を確認すると薄い踏み跡を見つけた。
初めに半蔵山に登頂した時刻は11時半、間違いに気が付き3回目の登頂時刻は13時半、2時間の停滞と登り返しの体力消耗、それに加えて混乱からの精神疲労、これらはその後にも影響を与え、お気楽山行は過酷山行へと変貌していった。
ぶっ壊れたコンパスに騙される

蟻地獄から脱出できたのは良いが、道の状態は相変わらず悪く遅れているのにペースが上げられない。歩きやすいコースなら所要時間を予測できるが、この状態だと見当が付かない。
住宅地に囲まれたこの地形で遭難することはないが時間が不安、今日中に下山することが出来るのか心配になってきた。

半蔵山から羽黒山 ⇒ 土平山 ⇒ 池ノ鳥屋 ⇒ 栗谷と順調に進み鞍掛峠に到着。
鞍掛峠からは先は明瞭な道を想定していたが、峠のらしき場所には峠の標識も道標も見当たらない。「ひょっとしてここは鞍掛峠ではないのでは?」先の過ちから自分の行動に確信が持てなくなり、別方向に林道を進んでいくと鞍掛トンネルの県道に出てしまった。。
時間が無いのに繰り返す道間違い、それと登山道の無い想定外の状況から不安は更に強くなっていった。
羽黒山羽黒山
土平山土平山
土平山~池ノ鳥屋土平山~池ノ鳥屋
池ノ鳥屋池ノ鳥屋
栗谷栗谷
鞍掛山の山容
林道合流点鞍掛峠

鞍掛峠からの登りは踏み跡がわからず、急登+藪+不明瞭状態に引き返してエスケープ(敗退)するかを考えた。このまま進めば確実に古賀志山の手前で日は暮れてしまう、こんな状態で登るなら早く帰宅した方が賢明ではないか?
立ち止まって暫く葛藤したが続行を選択、暗くても踏破することを優先した。
鞍掛峠~鞍掛山鞍掛峠~鞍掛山

鞍掛山の尾根に出ると明瞭な道となり、不安は少し解消された。
鞍掛山の東には展望台がある筈だが尾根は樹木に覆われ展望があるようには見えなかった。途中で諦めて山頂に向かったが、帰宅して調べるとその先に展望台があったようだ(悠長に景色を楽しんでいる場合ではないのだが)。

鞍掛山は展望が無かったが、シゲト山は良好だった。
鞍掛峠から鞍掛山の道が廃道になっていたのは鞍掛山の展望が悪いから、鞍掛山からの稜線が明瞭なのはシゲト山の展望が良いから。もしシゲト山の展望が無かったら利用者の少ない歩き難いコースになっていただろう。「ありがとうシゲト山!」
鞍掛山鞍掛山
鞍掛山~シゲト山シゲト山
シゲト山からの眺め

猪倉峠では明るかったが(16時過ぎ着)、手岡峠(17時)の手前からヘッデンを付けた。
日が沈む地平線と街の景色は美しかったが、感傷に浸る余裕はなく、この明かりがいつまでも続いて欲しいと懇願した。
猪倉峠手岡峠
手岡峠~P559

17時40分にP559に到着。古賀志山までの距離は1km弱、最短の南コースから下れば今日中に帰宅できそうだ・・・しかし、事は思い通りに運ばない、

さらなる試練が待ち受けていた(もうヤメテ!)

P559の次のポイントは富士見峠となるが、そのポイントが見つからない、明瞭な踏み跡と辿っているから進路は合っている筈なのだが。
岩の露出した道のアップダウンを進んでいくと、地形が下降し始めた。そして、目の前には湖が・・・「いったいここは何処なのか?あの湖は何なのか?」
地図を見ると古賀志山付近の湖は赤川ダムと御嶽山の南(城山西小学校の上)の2つ、周りの地形からして赤川ダムっぽいが、頭が混乱しその判断も出来なかった。

半蔵山で無能ぶりを発揮してくれたぶっ壊れたコンパス、そんなコンパスでも現在地を知るには頼らざるを得ない。正常になっている事を願いコンパスを見てみるが、またしてもめちゃくちゃな方角を指していた。。真っ暗、現在地不明、疲労困憊、そんな状態でのコンパスの適当な対応は私の逆鱗に触れた。
「お前がしっかりしていればここまで最悪の状況にはならなかったのに、なんだそのフザけた態度は、もうお前は用無しだ!」
無能なコンパスは崖に転落し成仏したが、状況が良くなったわけではない。寧ろ唯一のツールが無くなってしまい、ぶん投げた後に後悔した。。

ここから引き返すにしても、ここまで悩むような分岐はなく、戻ったとしてもルートの修正は出来そうもない。それに疲労、登り返す体力は無いし、兎に角一刻も早く下山してこの不安な状態から抜け出したい。
そのまま下降していくと林道に出て赤川ダムに到着した、どうやら稜線から外れ南ではなく西に進んでしまったようだ。
P559P559~登山口
P559~登山口登山口~赤川ダム

タクシーを呼んで帰宅する事も可能だったが(到着は19時半)、疲労から吐き気がして、車や電車での移動も出来ないくらいに憔悴しきっていた。
無理して帰宅する事もないので(面前で嘔吐したくない)、予備日を使いキャンプ場にテントを張ってそのまま倒れ込んだ。

Day3に続く。

ルート評価


区間ルート評価


▲二股山

景観  :★★★★☆
ルート :★★★☆☆(3.5)


山頂からの展望が良く、静かに歩ける良山です。道標には『往路が沢』『復路が尾根』となっていますが、景観的に逆順がお薦めです。駐車場は5~6台のスペースがあります。

▲岩山

景観  :★★★★☆
ルート :★★★★☆(3.5)


アドベンチャーなコースです。個人的にはあまり好みではありませんが、登山好きな人にはお薦めです。北端の鎖場は傾斜が強く足場が悪いので滑り止めのグローブが必要です。

▲糠塚山

景観  :★☆☆☆☆
ルート :★☆☆☆☆


地形に興味がある人は登ってみるといいかもしれません。

▲戸室山

景観  :★★★☆☆(3.5)
ルート :★★★☆☆


山頂の展望はありませんが、登山道の景色が神秘的で心地良さを感じるコースでした。

▲多気山

景観  :★★★★☆(4.5)
ルート :★★☆☆☆


コースの景色は悪いですが、山頂からの眺めは素晴らしいです。

初日ルートのその他留意事項
※大谷寺の御止山は15時に登山道が閉まります
※宇都宮餃子さつき徳次郎本店は19時まで営業、18時頃にラストオーダー

▲篠井富屋連峰(宇都宮アルプス) オススメ

景観  :★★★★☆(4.5)
ルート :★★★★☆(4.5)


景観に優れ、長くも短くも無く気持ちよく歩けるコースです。こどもの森から序盤の景色が良く、本山の眺望では大きな感動があるのですが、その後トーンダウンしてしまうのが残念なところです。

▲男抱山・富士山 オススメ

景観  :★★★★☆(4.5)
ルート :★★★★☆(4.5)


お手軽に展望を味わえる良コース、周回コースなので重複区間があまり無い点も素晴らしいです。

▲男抱山~半蔵山~鞍掛峠

景観  :★★☆☆☆
ルート :★★☆☆☆


半蔵山は林業によって破壊され、それ以外の山も展望がなく、コース全体の経験も悪いです。私は勘違いから大迷いしてしまいましたが、不明瞭な箇所はありません。

▲鞍掛山~P559~中尾根

景観  :★★★☆☆(3.5)
ルート :★★★☆☆(3.5)


暗い時間帯だった所為か景色は良さを感じませんでした。鞍掛峠から鞍掛山まではバリエーション、藪+不明瞭+急登なので体力を消耗します。鞍掛山の山頂からは踏み跡が明瞭となり歩きやすくなります。
中尾根コースはアップダウンのある岩尾根ですが、鎖や虎ロープの整備がされているので安全に下れます(登れます)。

タイム


【Day1】
北鹿沼駅(7:46)~【移動】【道間違い】~【住民と談笑】~二股山登山口(8:52)~二股山北峰(9:41)~二股山登山口(10:35)~【移動】~岩山取付点(11:08)~【登山道合流】~岩山(11:38)~~岩山(11:50)~岩山登山口(12:59)~【移動】~糠塚山(13:48)~【道間違い】~戸室山登山口(15:13)~戸室山(15:23)~下山口(15:37)~【移動】~大谷平和観音(15:57)~【時間外で御止山に登れず】~多気山登山口(16:22)~多気山(16:37)~多気山登山口(16:50)~【移動】~宇都宮餃子さつき徳次郎本店(18:26)~バーミヤン宇都宮徳次郎店(18:30)~【夕食】~幕営地(19:45)

【Day2】
幕営地(4:53)~平成記念子どものもり公園駐車場(5:37)~榛名山登山口(5:54)~榛名山(6:21)~男山(6:36)~本山(6:55)~飯盛山(7:35)~高舘山(8:13)~黒戸山(8:33)~中徳次郎登山口(8:39)~鬼山(8:54)~【移動】~セブンイレブン(9:28)~【昼食】~男抱山登山口(10:02)~男抱山(10:25)~富士山(10:36)~林道合流点①(11:24)~半蔵山①(11:35)~【激烈な道間違い】~林道合流点②(12:59)~半蔵山②(13:08)~【もう一度林道に戻ってから半蔵山へ】~羽黒山(13:45)~土平山(13:50)~池ノ鳥屋(14:22)~鞍掛峠(15:00)~【道間違い】~鞍掛峠(15:17)~鞍掛山(15:48)~シゲト山(16:02)~猪倉峠(16:15)~手岡峠(16:56)~P559(17:46)~【苛烈な道間違い】~中尾根登山口(19:11)~幕営地(19:30)

その他の写真


20191103-05
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