北ア「The Cat Face」Pt.1(笠ヶ岳)

猫縦走路の初日は笠ヶ岳とそこからの稜線、笠ヶ岳は前から登ってみたい山だった。
北ア「The Cat Face」Pt.1(笠ヶ岳)
笠ヶ岳は北アルプスの主脈から離れた孤高の山。迎合せずに己を貫く、そんな部分に魅力を感じていたが、孤高だけにルートの繋がりは悪く、ピストンするだけでは物足りない私の選択肢からは外れていた。

「笠ヶ岳」という名前からは山容は想像できない、北アルプス北部最西端の山はどんな姿をしているのか?雷鳥岩から見えた後ろ姿は、雄々しくそれでいて優しさが感じられた。

笠ヶ岳

笠ヶ岳は私が好む雄大な山だった。
人は歳を取ると、ものの見方や趣味嗜好が変化していくが、傾向としては激情よりも落ち着きを求めるようになる。ロックを聴いていた人がジャズやクラシックを聴き、アクション映画やホラー映画から人間愛を描いた作品を観るようになり、味覚も変化していく。
槍や穂高の山容は確かに美しいが、親しみや安堵感を感じないのはそういった部分が関係している。

また私が雄大な山に憧れを持つのは、擬人化して山を見ているから。対象物を人として捉えたり、自己投影して評価する、これも加齢による心理変化であろう。
笠ヶ岳はどっしりと構え派手な主張のない山、笠ヶ岳から別れた稜線に在る錫杖岳は険しく個性的な山。この関係は老人と若者の様にも見え、私は以前は錫杖岳、今は笠ヶ岳に魅力を感じている。
笠ヶ岳は孤立したぼっちな山だが多くの人に愛されるのは、全てを受け入れる寛容さがあるから。そんな部分に尊敬の念を抱き、自分もそうでありたいと思うのである。

山の好みは性格を表し、険しい山を好む人は精神力や生命力が強い人、雄大な山を好む人は落ち着きや安定を求める人、分け隔てなく全般的に好む人は優しく愛に満ちた人。
因みに高い山は上昇志向が強い人、私の様な低山を好む人は下降志向とネガティブに見えるが、高みよりも深み(Deep)を求めている。

ルート(全日程)



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【Day1】
 距離:16.521km
 累積標高(登り):2673m
 累積標高(下り):1092m
 ※GPSデータはカシミールで作成

山行記録(Day1 晴れ)


笠ヶ岳へのコースは新穂高温泉駅からの笠新道もあるが、笠新道は林道を歩かなければならないのと、笠ヶ岳をピストンする美しくないルートになってしまうので、槍見温泉登山口のコースを選択した。
中尾高原口駐車場を5時前に出発、ヘッデンを付け槍見温泉登山口から登り始めた。
中尾高原口駐車場槍見温泉登山口

槍見温泉のコースは序盤沢筋を遡行していく、ナイトウォークで避けたいのは沢筋のコースだが、北アルプスの登山道だから問題はないと考えいた(整備された明瞭なコースだから)。
ところが途中で進路を見失ってしまった。沢を渡渉するのか、そのまま右岸を進むのか?右岸は踏み跡が無く、沢には橋は無く対岸のテープも見えない。
右岸はないと判断し、膝下ほどの水量の沢を渡渉、そこから登山道を探していると数十メートル先でピンクテープと踏み跡を見つけた。暗がりの沢コースが危険なのは渡渉点での道間違い、テープや目印を見つけるには遠くまで照射できる光量の高いヘッドランプが必要だ。

始めの渡渉点を過ぎてからは明るくなり、その後は迷うこと無く進むことが出来た。
登山口~錫杖沢出合登山口~錫杖沢出合

沢筋を進んでいくと錫杖岳が姿を現した。この登山道は過去にクライミングで錫杖岳に登った際に利用したことがあり、その時の記憶が蘇った。
登山口~錫杖沢出合登山口~錫杖沢出合
登山道から錫杖岳

錫杖沢出合辺りから勾配は強くなり、沢が涸れ谷間を登っていくと最終水場に到着した。天気は快晴、空は青く緑は明るい、最高のシチュエーションに心が躍る。
錫杖沢出合~水場
錫杖沢出合~水場錫杖沢出合~水場
錫杖沢出合~水場錫杖沢出合~水場
錫杖沢出合~水場錫杖沢出合~水場
錫杖沢出合~水場錫杖沢出合~水場
錫杖沢出合~水場
錫杖沢出合~水場水場

水場からは展望が良くなり穂高方面の山が望めた。紅葉の景色に気持ちは高揚していたが、慣れない高山の道と急登に少し疲労感を感じ始めた。
水場~雷鳥岩
水場~雷鳥岩水場~雷鳥岩
水場~雷鳥岩
水場~雷鳥岩水場~雷鳥岩
水場~雷鳥岩水場~雷鳥岩

雷鳥岩付近の景色は素晴らしかった。手前の尾根辺りからの景色と雷鳥岩の展望、この時はアンビエントを聴きながら美しさを増幅させた。
雷鳥岩
雷鳥岩

雷鳥岩から笠ヶ岳までも急登、へばりながら山頂に到着した。到着時刻は11時過ぎ、所要時間は6時間半、9時か10時には着けると思っていたが大分遅れてしまった。。
雷鳥岩~笠ヶ岳雷鳥岩~笠ヶ岳
雷鳥岩~笠ヶ岳
雷鳥岩~笠ヶ岳笠ヶ岳

到着は遅れたが、イライラも悲観する事も無かった。これだけの美しい景色の中を歩ける幸せ、疲れながらも私の目や口元は「ぷるんぷるんQoo」と同じ常にニヤけた表情をしていた。
ぷるQoo@笠ヶ岳

【笠ヶ岳からの眺め】
笠ヶ岳からの眺め
笠ヶ岳からの眺め
笠ヶ岳からの眺め笠ヶ岳からの眺め

最終目的地までの距離はまだ半分以上あるが笠ヶ岳からは稜線、下からアップする標高差に比べて楽な行程だ。稜線はなだらかな地形で景観も良好、笠ヶ岳までは誰にも会わなかったが稜線は人が多く、楽しそうな表情を見ていたら力がみなぎって来た。
笠ヶ岳~抜戸岳笠ヶ岳~抜戸岳
笠ヶ岳~抜戸岳
笠ヶ岳~抜戸岳笠ヶ岳~抜戸岳
笠ヶ岳~抜戸岳笠ヶ岳~抜戸岳
笠ヶ岳~抜戸岳

笠新道分岐の分岐から稜線伝いに歩いていくと、抜戸岳に到着した(「ぬけどだけ」と読むが私は「ばっとだけ」と呼んでいた)。抜戸岳から稜線の登山道に繋がる道は無かったが、笠新道分岐に戻るのは面倒なので薄い踏み跡のハイマツ帯を突破して登山道に戻った。
笠新道分岐笠ヶ岳~抜戸岳
抜戸岳
抜戸岳から登山道抜戸岳から登山道

抜戸岳からはアップダウンが続いた。↘秩父平↗大ノマ岳↘大ノマ乗越↗弓折岳↘弓折乗越
抜戸岳~秩父平抜戸岳~秩父平
抜戸岳~秩父平抜戸岳~秩父平
秩父平
秩父平~大ノマ岳秩父平~大ノマ岳
秩父平~大ノマ岳弓折岳
弓折岳~弓折乗越弓折乗越

笠ヶ岳からすれ違った人は全て進路が逆方向だったが(笠ヶ岳に向かう人)、弓折乗越を過ぎてから同じ方向に進む人に追いついた。
同じ目的地に進む人を見ると安心する、「この人を追い抜けば私はビリにはならない」そんな最下位に対するコンプレックスがあるのかもしれない。。

弓折乗越から双六小屋までの区間は歩きやすく景観に優れていた。
幕営地や宿泊地までの道は登りで終わる事が多く、到着時は疲労状態になっているが、この道は平坦と下りなので疲労感はなく、逆に美しい景色から癒やされた状態で歩くことが出来た。
樅沢岳と双六山は人気のある山ではないが、双六小屋を多くの人が利用するのは、このゆるやかな癒やしのロケーションが関係しているのだろう。
弓折乗越~双六小屋弓折乗越~双六小屋
弓折乗越~双六小屋
弓折乗越~双六小屋弓折乗越~双六小屋
弓折乗越~双六小屋
弓折乗越~双六小屋双六小屋

双六小屋の到着は16時過ぎ。14時頃には到着してのんびり過ごす予定だったが、到着が遅れゆっくり景色を楽しむ事は出来なかった。
双六小屋テン場
双六小屋テン場

テントを設営していると急に気温が下がり、夜は冬用のシュラフなのに寒さを感じた。異常な気温低下から明日の夜明け間に歩けるのか不安になっていたが、23時頃になると急に気温が上昇した。前日から朝方までは雨が振り、温暖低気圧が通過した為に日中は暑さを感じくらいの気温だったので、寒暖差から夜は-20度くらいに感じた(体感)。
地形や風で気温は激変するが、その時間は雨も降らずそこまで風も強くなかった。あの数時間の気温低下はなんだったのか?

Day2に続く。

ルート評価


【槍見温泉~笠ヶ岳】

景観  :★★★★☆(4.5)
ルート :★★★★☆(4.5)


景観は沢筋からの錫杖岳、尾根合流点からの雷鳥岩の山容、雷鳥岩からの展望が特に良かったです。
コースは笠新道に比べ利用者が少ないので静かに景色を楽しめます。尾根までは急登、渡渉は3箇所くらいあり増水時は濡れます。

【笠ヶ岳~双六小屋】

景観  :★★★★★
ルート :★★★★★


歩きやすく眺望に優れた良区間です。
景観は稜線からの穂高・槍方面の眺め、双六小屋付近の鷲羽岳の山容が特に良かったです。
コースは秩父平・大ノマ岳・弓折岳の区間は少しアップダウンがありますが、その他は緩勾配。抜戸岳から秩父平方面には登山道はありませんが通行は可能です(薄い踏み跡あり)。

行程・タイム(Day1)


※CTはヤマタイムの値
目的地標高m地点km距離km時間CT備考
中尾高原口駐車場9630-4:45-
槍見温泉登山口9910.50.54:520:05
錫杖沢出合14812.21.76:171:45
水場20644.11.97:572:30
雷鳥岩24565.21.19:061:20
笠ヶ岳28977.2211:162:30談笑
笠新道分岐27699.82.612:441:15
秩父平253011.8213:451:00談笑
大ノマ乗越246213.51.714:521:20
弓折乗越255614.30.815:250:40
双六小屋254716.52.216:181:00
行動時間 / CT合計 11:33 / 13:25


その他の写真


20191005

山の天気について


山行記録の最後に書いた夕方からの気温の変化だが、当日行動中に話した人はこの異常現象を事前に知っていた。以下は当日の天気図、この図をどうやって読めば寒気がわかるのか?

【10月5日 6時】小雨:普通(この時期にしては暖かい)
天気図
【10月5日 12時】晴れ:暖かい(少し暑い)
天気図
【10月5日 18時】晴れ:クソ寒い(17時~23時まで)
天気図
【10月6日 3時】晴れ:普通(この時期にしては暖かい)
天気図

「明日は雨が降るみたい」←普通
「明日は○時頃から雨が降るそうです」←少しかっこいい
「夕方からは冷えるから防寒対策をするといいよ」←かっこいい
「あと1時間くらいで雨が降りそうだ(空の状態から判断)」←かなりかっこいい

もっと天気の事を知りたい!
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