奥多摩三大急登(模索山行@奥多摩)

モチベ低下の状態に無理して山に行っても悪化するだけ、先週は山歩きをお休みして『山焦がれ』を募らせてみた。
奥多摩三大急登(模索山行@奥多摩)
2週間ぶり山、山の恋しさは芽生えたが、いつもと同じく特に歩きたい場所は思い浮かばなかった。
場所ではなく行為、山歩きの中で何が楽しいかと視点を変えてみる・・・景色を楽しんでいる時、走っている時、そして登っている時。「そうだ、今回はガッツリ登れるコースを歩いてみよう」

ということで今回は奥多摩三大急登の「本仁田山 大休場尾根コース」を歩くことにした。このコースは1度か2度歩いたことがあるが、どちらも北側からの下りのみとなり、登ったことは無かったと思う(登った事があるかもしれないが記憶にない)。

登る事は面白い

この急登コースはルートの後半にバテてしまう程、かなりキツいコースだったが、充実感は得られた。急登コースと言われる場所には『過酷さ』があり、過酷は充実感や達成感を生み出してくれる。

但しこの行為は登山としての要素であり、急登コースはハイキングにはあまり向いていない。
山頂まで続く登りでは殆ど景色を楽しむ事はできず、急激に体力を消耗すると全体のルート距離が短くなってしまい、長く自然を楽しむ事に影響してしまう。

しかし、私は登る事が好きだ。
美しい景色も目に入らず黙々と登る行為はハイキングの行為から反しているようだが、山の一部分を見つめ我武者羅に登る姿は、純粋に自然を感じているとも言える。視覚は弱まっていてもその分触覚は敏感になっている、足の筋肉が悲鳴を上げるのは触覚が機能し、山の強さ(急登)を感じている証拠なのである。

今回の模索山行では『登る』という行為の良さを再認識することができた。模索とは新しい発見だけでなく自己を見つめ直す事でもある、私は山ウォーカーでもあり、山のぼらーでもある事を認識した。
とは言え、私は生粋のハイカーなので基本的に急登コースを歩きたいとは思わない。
低山の急登コースは意外と人気があり、その日も多くの人が大休場尾根コースを登っていたが、私には何故こんなにキツいコースを好んで登ろうとするのかは理解できない。登山もそう、険しさや過酷さを求め非日常を味わう事よりも、日常の延長として自然を楽しんだ方が良いと思うのだが。

山行記録


ルートは奥多摩駅から本仁田山に登って、川苔山から日向沢ノ裏、そこから棒ノ嶺。ハイキングの原点となる棒ノ嶺に行けば何か掴めるかもしれないと考えた。

東横線90周年の「青ガエルラッピング電車」が西武線のホームに停まっていた。電車に興味のない私だが、JR横浜線や京王の高尾山トレインといった緑色の車輌には心を惹かれてしまう。但し山に行く時のみ、普段は何も感じないが、山に向かっている時に見ると「早く山を歩きたい」という気分になるのだ。
西武の新型特急車両「Laview」は色に関係なく魅力を感じている。春になったらこの特急に乗って秩父に行きたい、大きな車窓から新緑の奥武蔵を眺めるのは楽しそうだ。
青ガエルラッピング電車

8時過ぎに奥多摩駅に到着。登山口の安寺沢に向かうハイカーは私だけ、その時は急登だから人気がないと思っていたが、コースには多くの人が歩いていた。
大休場尾根コースは、先ず登山口までのアプローチが辛い。勾配のある坂道を長々(距離約2.5km)と歩かされるのは精神的にも疲れてしまう。
奥多摩駅奥多摩駅
奥多摩駅~安寺沢登山口奥多摩駅~安寺沢登山口
奥多摩駅~安寺沢登山口
奥多摩駅~安寺沢登山口奥多摩駅~安寺沢登山口
奥多摩駅~安寺沢登山口安寺沢登山口

30分後安寺沢登山口に到着。休憩すること無くそのまま山頂を目指したが、尾根に出るまでの谷筋の登りがこのコースの核心部となり、登山口で少しでも休んでおけばよかったと後悔した。
登山口~尾根合流点
登山口~尾根合流点尾根合流点

30分後尾根に到着。駅から尾根までは約1時間、いつもは序盤は5km以上、時間だと2時間くらい歩いてから休憩を取るから、ここでも休まずに山頂に向かった。
尾根からは勾配が和らいだが、先の尾根までの登りで疲弊してしまい、気持ちよく登ることは出来なかった。
尾根付近から足に違和感を感じ始めた、そうなったのは急登という事もあるが、いつもの私の悪い癖が出たことが原因だ。駅から登山口までは一人だったが、コースには人が多くその人達によって私のペースが乱れてしまったのだ。

私は人が前に居るとペースアップのスイッチが入ってしまう。
これは私の体力を誇示したいという理由もあるが(後述)、動物の本能なのである。熊は目の前に背を向けた人が歩いていたら追いかける習性があるが、それと同じく動物としての性がそうさせるのだ。
もし前の人が反転して後ろ向きに歩いていたら、「変わった人がいる・・・距離を取るか立ち止まってあの人が過ぎ去るのを待とう」と冷静に判断しペースを上げることはないと思う。
この本能的なペースアップは馬鹿げていると思いながらも、一概に否定的には捉えてはいない。セーブしないで自分にムチを打ち限界までペースを上げる事は結構気持ち良かったりもする。ロングルートを踏破したい時は体力を計算して抑えようとするが、本心は先のことよりも今を優先して全力を出し切りたいという気持ちがある(何事も全力は気持ちがいい)。

もう一つの自己の優位性を誇示する、これも動物的な習性ではあるが今回はある意図があった。その日は走る気分では無かったのでウェアはカジュアルにしたが、私はカジュアルスタイルを広めたいと常々考えていて、その方法として追い抜きは効果があると考えた。
高機能の山用ウェアを着ると何となくレベルアップした気持ちになってしまうが、靴は兎も角、ウェアは運動時の快適性が向上するだけで体力を促進する効果はない。だからカジュアルウェアでも実際は大きな差はない、走る場合は運動性能が関係してくるが、特に登りではウェアによる差は殆ど無いのだ。

カジュアルな服装の人に追い抜かれるのは「えっ?」って気分になる。
追い抜かれて「カジュアルでもいいのか?」とウェアについて考えてもらうのが狙い。山ウェアが悪いという事ではなく、『山に行くなら山ウェアを買っとけ』という風習が良くない、そのウェアの機能性をよく理解して、自分の山のスタイルに必要かどうかを判断できるのが好ましい。

『カジュアルにして山を気楽に楽しむ』

私は低山の山歩きであればカジュアルウェアで十分だと思っている。
私がハイカーにカジュアルウェアを着てもらいのは、着心地以外に『景観』を良くしたいという考えもある。ヨーロッパなんかは景観規制が厳しかったりするが、この規制が無かったら街並みは悪くなって住み難くなってしまう。山も同様、山の景観に合った服装をした方が全体の景観が良くなる。天然繊維がベストだが、化学繊維でもせめてカラーリングは制限してもらいたい。派手な色はなるべく控え差し色程度にしたり、彩度の高いビビット色をワントーン落とすだけでも自然に合うようになる。

今回着ていたウールセーターは着心地は良いのだが、その日は温度が高く、全力で登ったから汗をかきまくって暑かった。。カジュアルスタイルの基本は『頑張らない事』、言葉の意味の通り寛いだ状態でなければならない。
暑い・・・

尾根の合流点から山頂までも30分くらい。徐々に勾配が緩くなり距離も短かったから止まらずに登れたが、あと数キロ長かったり、谷筋の様な急勾配が続いていたら途中で座り込んでいたと思う。
尾根合流点~本仁田山
尾根合流点~本仁田山尾根合流点~本仁田山
尾根合流点~本仁田山尾根合流点~本仁田山

本仁田山の山頂は良い印象が無かったが、富士山まで見える良展望の山頂だったので驚いた。どうやら伐採をしたようだが、これ程劇的に変貌する効果のある整備は珍しい。何でも伐採すれば良くなるとは限らないし、ある程度樹木を残し居心地にも配慮したこの整備(デザイン)にはセンスを感じた。
この景色が見られるなら頑張って急登を登った甲斐もあるというものだ、展望の無い山頂の急登ほど無意味でマゾいものは無い。
本仁田山本仁田山
山頂からの眺め
お菓子&富士山

本仁田山から川苔山へ。足を回復させたいが、この区間は大ダワなどアップダウンが激しく休めるどころか更に疲労が蓄積していった。。
本仁田山~川苔山本仁田山~川苔山
本仁田山~川苔山本仁田山~川苔山
本仁田山~川苔山
大ダワ本仁田山~川苔山
本仁田山~川苔山本仁田山~川苔山
本仁田山~川苔山本仁田山~川苔山
本仁田山~川苔山川苔山

今日は空が青くて眺望が良かった。昨日は東京では砂埃が舞っていたのに山はなんでこんなにもスッキリしているのか?
川苔山
川苔山
山頂からの眺め
川苔山

川苔山から日向沢ノ峰の区間は歩きやすくなったが、軽い登りでも筋肉が悲鳴を上げ回復は出来なかった。
最近はアメリカのハイキングやトレッキングの動画をよく見ていて憧れていたが、この区間はそれに近いような感じがした。地形は全然違うのだが、稜線の見え方や防火帯の展望の良い尾根や樹林帯の景色が似ていて、アメリカントレッキングをしている気分になった。
雪はこの区間の一部だけ残っていて例年よりも大分少なかった。
川苔山~日向沢川苔山~日向沢
川苔山~日向沢川苔山~日向沢
川苔山~日向沢川苔山~日向沢
川苔山~日向沢川苔山~日向沢
川苔山~日向沢川苔山~日向沢
日向沢
日向沢

近年にマルボロのパッケージデザインは変更されたが、私はこのデザインがとても気に入っている。この三角形の形状が何を意味しているかは解らないが、私には山に見える。こうして蕎麦粒山と照らし合わせみると完全に山である。
日向沢から蕎麦粒山
マルボロと蕎麦粒山

チキンラーメンに入っていたシールを日向沢の古い山頂標識にぺたり。ビックリマンシールとかだと景観を損なうが、小さなサイズと可愛らしいヒヨコ、それと「おつかれさま」の文言だから問題ないと思い貼ってみた。
おつかれさま

日向沢から棒ノ嶺はいつもノンストップなので休憩を取らずに進んだが、棒ノ嶺の一つ手前のマッキー(槙ノ尾山)でバテてしまった。。ここまで来て休憩は取りたくない、でも足が動かない、少し進んで止まってを繰り返し、何とか棒ノ嶺に辿り着くことが出来た。
日向沢~棒ノ嶺日向沢~棒ノ嶺
日向沢~棒ノ嶺日向沢~棒ノ嶺
日向沢~棒ノ嶺
日向沢~棒ノ嶺棒ノ嶺

普段は山頂に5分も居ないが体調が悪いので長めに休憩を取ってから白谷沢登山口に下山した。棒ノ嶺で今後の山について考える予定だったが、疲労困憊でそれどころではなかった。。
白谷沢コースは林道の上の谷筋が崩落していた、利用者が多いから荒れるのか?それとも自然的に崩壊したのだろうか?
棒ノ嶺
棒ノ嶺
崩落箇所
棒ノ嶺~登山口棒ノ嶺~登山口
棒ノ嶺~登山口棒ノ嶺~登山口
棒ノ嶺~登山口

先週は山を休み、その前も模索山行ばかりで通常の半分程度のルートばかり歩いていた事もあって、体力の低下を痛感した。最低でも総距離25kmの累積標高2500mを歩けるようにならないとルートが制限されてしまうから、とりあえず体力の回復に努めたい。
翌日は久々の筋肉痛。私は『筋肉痛=筋力アップ』と思っているが必ずしもそうではないらしい、継続して適度に体に負荷をかけ、ゆっくりと成長させるのが良いそうだ。
もし毎日休まずに一年間山に登り続けたらどれだけ筋力が付くのだろうか?まぁ時間があっても楽しくないから実践はしないが、驚異的な体力という面には惹かれてしまう。

ルート評価(本仁田山のみ)


区間ルート評価


【本仁田山 大休場尾根コース】】 本仁田山はオススメピーク

景観  :★★★☆☆(3.5)
ルート :★★★☆☆(3.5)


急登コースですが、山頂が改善された事でコース内容は良くなりました。
山頂までの距離は短い(2km弱)ですが、終始登りとなり特に登山口から尾根までの区間の勾配が強いです。距離は短く、ベンチもないので休憩を取るか悩みますが、登山口と尾根の合流点で休憩を取ると楽に登れると思います。

タイム


奥多摩駅(8:16)~安寺沢登山口(8:46)~尾根合流点(9:10)~本仁田山(9:47)~大ダワ(10:25)~川苔山(11:14)~日当沢ノ裏(12:14)~【途中でバテる】~棒ノ嶺(14:09)~【大休憩して体調回復】~白谷沢登山口(15:38)

その他の写真


20190224

勾配と斜面の違い


登りや下りの傾きを私は「勾配」と表現してるが、斜面と言葉を使い分けている。下の図はその違いを解りやすく説明している。
富士さんぽ 富士山の傾斜角度
勾配と斜面の違い

勾配とは道の上昇具合、斜面や傾斜は頂点への角度。「山の斜面が強い(高い)」と「勾配が強い」では意味合いが変わってくる。例えば斜度が60度であっても、つづら折れに登っていけば傾斜を落とすことができる。
一般的な登山道なら勾配、雪山の場合は登山道が隠れてしまいラインは直登となるので斜面、登山道の無い尾根や谷筋も直登となるので斜面、岩壁や岩峰は登山道があれば勾配、クライミングの場合は傾斜となる。

急登は決まった定義がなく、上昇率(標高差)が高く且つそれなりの距離のコースに対して付けられる事が多い。しかし、距離が短くても瞬間的な勾配が強い場所もあり、急登と言われるコースよりも辛かったりすることもある。
今回の本仁田山だと、登山口から尾根までの谷筋が急登、尾根からはそこまでの急登ではなかった。上昇率と距離は同じになるが、もしこの順番が逆だったらもう少し楽に登れたと思う。
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