カジュアルハイキング(浅間嶺と御前山)

人気ハイキングコースや散策コースでは普段着で歩いている人が多いが、私はこの光景を見るのが好きだ。普段着は運動性能は低いものの、自然な感じ(ラフ)が景色と調和していているのが良い。
カジュアルハイキング(浅間嶺と御前山)
いつもの格好で、いつもの気持ちで山と接する。気負わずに自然体でいられること、普段着にはこのような効果がある。
私もそんな気分で山を歩きたい、今回は寒くて走る気分ではなかったので、山の景観に馴染むカジュアルスタイルで山を歩いてみた。

私は春夏秋の3シーズンでは肌触りの良い麻や綿の天然素材ウェアを着ているが、冬は機能性を重視し化繊で構成している(天然素材はメリノウール・ダウン・靴下くらい)。
しかし、化学繊維が無かった時代は天然繊維で高い山にも登っていた訳で、冬でも天然素材がダメということではない。防寒性や速乾性を必要としないルートや歩き方にすれば、天然素材でも冬の山を歩けるということになる。

(上)ジョージ・マロリーのスーツスタイル、(下)「劔岳 点の記」の仲村トオルの色使いとロングコートは違和感がある
ジョージ・マロリーのスーツスタイル
「劔岳 点の記」の仲村トオル
どうせなら思いっきりカジュアルしたい。アウトドアカジュアルでは物足りないから、今回は街着にしてみた。
上着はコートにするか迷ったが、密着感のあるウールジャケットにした。インナーはウールセーター、下着は綿Tシャツとブリーフ、パンツはさすがにスラックスだと厳しいので、動きやすさと肌触りの良い綿スウェットパンツとした(100%天然素材)。
靴はカジュアルにしてしまうと歩き難くなるからファイブフィンガーズ、別にオシャレをするのが目的じゃないから、気持ち良く歩けるシューズがよい。
全身写真はこんな感じ・・・えっ、全然山に合ってない?クラシカルな感じが仲間トオルっぽいと思うんですけど。。
カーブミラーで撮影カジュアルハイカー御前山を制する

まぁ、色的には合っていなかもしれないが、熊っぽいから変って事はないと思う(ジャケットのモコモコ感が獣みたい)。
ウールジャケット

当初はこのスタイルでまったり歩く予定だったが、ルートに問題があった・・・ルート作成時に距離(22km)だけ確認し、カジュアルハイクの範囲内だと思っていたが、実は累積標高が高かったのだ(UP 2500m)。。
普段着と機能性ウェアの違いを体感することはできたが、今回の目的となる『自然体で歩く』とは程遠い結果となってしまった。。

カジュアルハイクのススメ

以下は今回感じた事、機能性をあまり必要としないルートならばカジュアルでも十分楽しめる。

    カジュアルウェアや天然素材の問題点
  • 体温調整。登りなど発汗により体温が上がると暑くなり過ぎてしまい、上着を脱ぐと防風性の低いウールでは体が冷えてしまう。
    ハードシェルは素材そのものに発熱性はなく、ミドルレイヤーの発する熱を密封して温める。温度調整はベンチレーションで行えるから煩わしい着脱の必要がない
  • 速乾性。綿の下着では汗の乾きが悪く、ウールは水を弾いてしまい体が冷えてしまう。
    ベースの速乾性、ミドルの吸水性・吸湿性・保温性、ハードシェルの透湿性のレイヤリングにより汗が残りにくくなる
  • 携帯性。ウールジャケットは携帯性に難があり、必要以上に大きなザックでないと収納できない。この為今回は20Lのザックとした
  • 運動性能。今回のルートでは特に問題はなかったが、鎖場や梯子の多い上半身を使うコースだとジャケットでは厳しそう

    カジュアルハイクの注意・留意点
  • 初心者にはお薦めできない、山の危険性とウェアの機能性を理解している中級者以上でないと苦痛なだけ
  • 目的は普段着によるリラックス効果であり、無理にお洒落にする必要はない
  • 基本はゆったりウォーキングなのでハードワークするルートには向いていない
  • 発汗や汚れを気にする場合は着替えが必要
  • 下半身や腕周りの可動が制限されるようなウェアは×、タイトであっても伸縮性のある素材なら問題ない。また、ロングコートやルーズなウェアは歩き難く、転倒しやすいので止めた方がよい
  • 雨や強風の天候が悪い場合は機能性ウェア(防水・防風ウェア)を着用する。天候が良い場合でも山深いハイキングの場合は保険として機能性ウェアを携行すのが望ましい
  • 靴だけは運動性や安全性に配慮し機能的な物を選ぶ。歩きやすい靴であればカジュアルシューズでも構わないが、運動性能が低いデザインシューズは疲れるし危険

天然素材の拘りは肌触り以外に、自然主義的な哲学の側面もある。『自然では自然の素材を』、オーガニッカーやベジタリアンの人ならこの良さを解ってくれるかも(私はノーマルだけど)。

カジュアルスタイルは稀に見かけるが、もっと増えてもいいと思う。
興味がある人は一度、普段着感覚を体験してみてくだされ。間違ってもクラシカルスタイル(ウールジャケット&スラックス)で雪山にチャレンジしないように。

ルート



大きいサイズで見る

距離:22.269km
累積標高(登り):2458m
累積標高(下り):2392m
※ルートはカシミール3Dで作成

山行記録


いつもは駅から登山口までは走ってバスを使わないが、今日はカジュアルだからバスを利用した。
ハイカーは10数人乗っていたが、払沢の滝入口バス停に降りたのは私だけ・・・あれれ?このコースってそんなに人気がないのか。。バスは数馬行だったが、浅間嶺から先でもハイカーに会わなかったから(一人だけ)、殆どの人が三頭山に行ったっぽい。三頭山ってそんなに良い山かね?私的には360度の眺望が楽しめる浅間嶺の方が断然よく感じる。
武蔵五日市駅からの日の出
バスに乗る払沢の滝入口バス停

先ずは払沢の滝に立ち寄った、バス停から沢に下り、沢筋を詰めていくと大きな滝が現れた。
払沢の滝は日本の滝百選に選ばれる名瀑でもあり、それなりに良さはあるのだが、冬は見ているだけで寒さを感じてしまう。あと、滝を観賞するならルートの始めよりも最後の方が良い、疲れがあるから癒やされる、体を動かしていないのに癒やされると、テンションに影響してしまう。
払沢の滝払沢の滝
払沢の滝
払沢の滝払沢の滝
払沢の滝

朝方は空気が澄んでいて気持ち良い時間帯だが、足元がファイブフィンガーズだったので、冷たさばかりが気になった。。VFFは冬に弱い、アッパーとソールは薄くて防寒性は全く無いし、指先は分離しているから、摩擦による保温効果も得られない。インナーにボア素材を使った保温性の高いモデル(Trek Ascent Insulated)もあるが、薄くないならVFFを履く意味がない。
冷たい・・・


浅間嶺

滝から登山口までは車道歩きとなる。意外と距離はあるが、景観の良い道だったので、退屈には感じなかった。
払沢の滝払沢の滝~登山口
払沢の滝~登山口払沢の滝~登山口
払沢の滝~登山口
払沢の滝~登山口払沢の滝~登山口
払沢の滝~登山口払沢の滝~登山口
払沢の滝~登山口

登山口付近には茶屋やそば処があったが、最近閉店したようだ。こんな不憫な場所で営業していたのはこのコースが人気だから・・・それなのに私しか歩いていないのはどーゆーこと?
茶屋
茶屋浅間嶺登山口
そば処

このコースは途中までは沢筋となるが、人気コースとは思えない微妙な景観だった(汚い)。
登山口~浅間嶺展望台登山口~浅間嶺展望台
登山口~浅間嶺展望台登山口~浅間嶺展望台

尾根からは良好となり、展望地からは御前山や大岳山の奥多摩の山が望めた。この北側の景色が浅間嶺の良さであり、奥多摩エリアでは一番美しい眺望だと思う。
登山口~浅間嶺展望台
登山口~浅間嶺展望台

分岐からは展望台経由のコースへ、分岐から浅間嶺展望台までの落ち葉の道はめちゃくちゃ癒やされた(理想のカジュアルハイクコース)。
登山口~浅間嶺展望台登山口~浅間嶺展望台
登山口~浅間嶺展望台
登山口~浅間嶺展望台登山口~浅間嶺展望台
登山口~浅間嶺展望台
登山口~浅間嶺展望台

展望台からは奥多摩の山々と白富士がはっきりくっきりと見えた、誰も居ない山頂から絶景を独占できると得した気分になる(開放的な気分になると素っ裸になりたくなる)。
浅間嶺展望台浅間嶺展望台
展望台からの眺め

展望台からは浅間尾根を西に進み、途中の分岐から藤倉に至る尾根を下った。
浅間嶺の登山口手前からはジャケットを脱いでいたが、尾根は風当たりがよく、防風性の低いセーターでは体が冷えてしまった。体が冷えるとお腹も冷える、お腹が冷えると便意を催す、すぐに出してしまいたかったが、巻道だったのでキジ撃ち場が見つからない。。尾根に出るまで我慢して用を足したが、長い巻道でなくてよかった。
浅間嶺浅間嶺の高さを感じさせる標識の設置
まん丸のかわいい石祠浅間嶺から分岐
浅間嶺から分岐
浅間嶺から分岐一本杉

分岐は一本杉の次のピーク(手前)にあるが、現在は虎ロープが張ってあり廃道となっている(他に道が無いので突破)。通行禁止となっているのは擁壁工事の残置物(鉄柱)が原因のようで、ここにも進入禁止のロープが張られていた。廃道となっているが不明瞭箇所や危険箇所(進入禁止エリア以外)は無かった。
藤倉分岐藤倉分岐
分岐~登山口分岐~登山口
分岐~登山口分岐~登山口
分岐~登山口浅間嶺登山口


御前山・鋸尾根

藤倉バス停の先の林道を上っていくと御前山の登山口があるが、道標は立っていなかった。
この林道は超急勾配の激坂となっていて歩きでもかなりしんどかった。上には民家があり軽自動車(四駆)が停めてあったが、この坂を車で上るのが信じられなかった。積雪があったらキャタピラ車でも上れなさそうだが、上の住人は上っているのだろうか、もし上っているなら神業としか言いようがない。
登山口入口御前山登山口
途中の激坂

この道は途中までは人工物があり蛇口水道まで設置してあった。人工物の先は特に荒れていることもなく、明瞭で歩きやすい尾根道となっていた。
登山口から分岐登山口から分岐
水場
登山口から分岐登山口から分岐
登山口から分岐登山口から分岐

1つ目のピーク(小岩からの尾根の合流点)は尾根通しだったが、2つ目のピーク(小沢からの尾根の合流点)は巻道となっていて、ここの通過は怖かった。道幅が狭く落ち葉もあるので、晩秋から冬、特に積雪時は尾根に回避した方が安全だ。
分岐(1つ目のピーク)分岐~分岐
分岐~分岐この通過がドキドキだった

途中、熊のトイレ(大量の糞)や踏み跡を見かけたが、自分が熊に間違われて撃たれないか不安になった。
先日猟師が誤射して森林職員を撃ち殺してしまうというニュースを見てからは、特に廃道では猟師に気をつけるようになった。山に殺されるならまだしも、人、しかも誤射、「テヘヘ、熊かと思って撃っちゃった」という人生の終わり方は悲しすぎる。
熊さんの足跡

巻道の終わりからは登山道に合流し歩きやすくなった(この道は一般登山道)。
分岐(2つ目のピーク)本当に道が悪い
分岐~御前山

この木の生命力が凄かった、そのままの傾斜にならずに太陽の方角に直角に曲がっている。
すんごい木すんごい木

登山口から御前山までの距離は短いが(5km未満)、標高差があり2時間もかかってしまった。
浅間嶺では一人しか出会わなかったのに、御前山山頂付近では4パーティーも居た。三頭山と同じく、急登の御前山の人気ぶりも私には理解できない。
山頂は標識が新しくなり、伐採して展望も望めるようになっていたが、やるならとことん伐採してもいいと思った。
分岐~御前山分岐~御前山
分岐~御前山大ダワ分岐
御前山御前山の新しい標識
御前山からの眺め(中途半端)

御前山からは鋸尾根に出て奥多摩駅に下った、この道は何度も歩いているから退屈だった。鋸尾根は小石が多くベアフットだと時間がかかるから嫌いだ。三頭山と御前山、そしてこの鋸尾根は、私にとって『三大、なぜ人気があるのか解らないコース(奥多摩編)』なのだ。
御前山~鋸尾根分岐御前山~鋸尾根分岐
御前山~鋸尾根分岐大ダワ
御前山~鋸尾根分岐鋸尾根
鋸尾根
鋸尾根鋸尾根
鋸尾根
登山口~奥多摩駅奥多摩駅

カジュアルスタイルでも特に問題はなかったが、カジュアルな気分で歩くにはもう少しルートを調整する必要がある。丘陵帯であれば満喫できそうだから、次は奇抜な格好をして歩いてみたい。
カジュアルハイクで見てみたいのは、動物の着ぐるみを着た小さい子、そんな子が居たら可愛すぎて誘拐してしまいそうだ。

タイム


払沢の滝入口バス停(7:35)~払沢の滝(7:48)~浅間嶺登山口(8:50)~浅間嶺展望台(9:32)~【キジ撃ち】~藤倉分岐(10:32)~【バリエーション】~藤倉浅間嶺登山口(10:59)~【移動】~藤倉御前山登山口(11:13)~小沢コース合流点(12:13)~御前山(13:00)~大ダワ(14:04)~【談笑】~天聖神社奥宮(15:14)~愛宕山(15:35)~愛宕山登山口(15:50)~奥多摩駅(15:55)

その他の写真


20181216
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